おわりに・ひとこと解説

 

 はいはいどうも。月が替わって10月ですね。残暑にしてはちょっと暑さが過ぎる今日この頃、みなさまは体調など崩されてないでしょうか。

 

 いくら現実の気候が夏を引きずろうとも、暦のうえでは9月が終わったのです。月初めに掲載を始めた「1000文字ちょっとエッセイ 30本マラソン シーズン3」、今回も予定していたテーマをすべて書ききりました!

 

 いつも夏はどうにも気持ちが浮ついて、文章なぞ全然書けないんです。ギラギラとした日差しと長い夕暮れの時間が大好きで、チャンスを見つけてはすぐに出かけてしまいがち。それでなくても楽しいイベントが続くこの季節は、息がつまるような思考からおれを解放してくれる数少ない時期なのです。ただ、頭の奥底では小人さんたちの議論が渦巻いているようで、秋風がせつなさをもたらすとともに頭のど真ん中に思考が帰ってくる…そんなシナリオを今年も思い浮かべていたのですが、なんにしても終わらない夏の暑さのせいで思考は鈍りまくり。おかげさまで、過去のシーズンより難産を強いられるお話ばかりでした。いや~、がんばった。

 

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 せっかくなので、各話についてひとこと解説を書いていきます。

 

  1. 夏の終わり

 このエッセイ集も、夏をやり切った後の空っぽな自分が迷走しないために始めたものです。

 

  1. ルーティンでととのう

 サウナにハマらなかった自分にとって、「サ活」に類するものは何かしらと考えました。

 

  1. 完成せずとも〆切は来る

 趣味の集まりで〆切を設定する立場になることが多いのですが、「〆切があるおかげで完成させられた」なんてよく言われるのですよ。

 

  1. 定時退勤

 SNSとかLINEの返事が休日しか動かない人、年々増えてませんか?

 

  1. 既読スルーの向こうに

 出会った頃に「返せなくてごめん、ちゃんと読んでるからね」って言ってくれた人と、もう長い付き合いになったことを思い出しながら。

 

  1. 本音

 1泊2日の旅行の帰りに珍しくグチをこぼしてくれた友達、元気かな。

 

  1. 同じになれなかったおれたちは

 誰かと同じになりたかった人だけがとる親しさの表現ってありますよね。

 

  1. イニシェリン島の精霊

 上映中は人間関係より描写のグロさに怯えてました。

 

  1. 友達に口をふさがれた日

 考えないこと話さないことがオシャレだとしたら、めちゃくちゃダサくなってやるよ。

 

  1. 正しくあるとは贅沢なのか

 こないだはエッセイを書いた後に、企業のお問い合わせフォームへのメッセージを考えてました。不買もいいけどちゃんと抗議しなきゃね。

 

  1. お餞別

 Twitterを追われた青い鳥さんに思いを寄せて書きました。

 

  1. 好きに理由がないのなら

 ずっと好きでいるなんて誓いようがあるのだろうか。

 

  1. 知と怒り

 自分の直観的な考えを補強するために知識をたくわえる人がいるんですよね、まったくもう。

 

  1. 子を育てない自分には

 どんなに忙しい時期を考えても、子育ての苦労にはかなわないような気がしています。

 

  1. 連休連休なに食べよう

 ストックなしでその日の夕方に書いた話。スラスラ出てきてホッとした。

 

  1. かわりもの

 どうも、自分が好きなものを融合させまくったキメラです。

 

  1. 不殺の剣を磨く

 仮タイトルは「傷つけないために学び続ける」だったものの、ひねりすぎて書くのが大変でした。カッコつけてんじゃねえよ。

 

  1. 期待しないなんてね

 自分は期待されたいのかもしれないなあ。

 

  1. よびみず

 個人主義を尊重することは、誰かに介入することとは相反しないはずですからね。

 

  1. それでも行為が好き

 めちゃくちゃセックスのことを考えながら書きました。

 

  1. 余白がつなぐ仲

 とはいえ、毎日会うような場で一緒になってたら…なんて想像もしちゃいますね。

 

  1. 一方的な愛

 趣味のように推しのように誰かを好きになると、その人が自分のために何かしてくれた時にうれしさで失神しそうになるので、まあ平たく言えばちょろくなりますね。

 

  1. ここにゲイがいるぞ

 さまざまな自治体にパートナーシップ制度が広がり、大学や企業でジェンダーセクシュアリティにかかる組織も増えて、それらが継続的に利用され運営されているという重みは、きっとじわじわと評価されていると信じています

 

  1. ぶらり独裁者

 タイトルを思いついたときガッツポーズしました。

 

  1. 純度

 なんて書いた数日後に久しぶりにゲイバーに連れていかれて、思いっきり気を使う空間で過ごすなどしてしまいました。

 

  1. つながりたい

 バンドの練習でしか会ってないような友達と、ぷらっと昼過ぎに小一時間コーヒーを飲めたのがめっちゃうれしかったりしたもので。

 

  1. 権威からの逃走

 同僚のおばちゃんが「昭和の女だから仕方ないのよ!」という引き合いを出すたびに、「吉永小百合も同じようにやるんですか?」とカウンターを打っています。

 

  1. 藍より青くなる頃

 最近ブルーなんとかってマンガが多いですよね。くしくも、アートの分野での成長を描いた作品が多いので、まさに「藍より出でて藍より青し」的な展開を示唆するものかとワクワクしちゃいますね。まあ、関係ないんでしょうけど。

 

 「筋を通す」と「変えられない主義に縛られる」って、外見上はわからなかったりするものですね。

 

  1. 繰り返される諸行無常

 何をするかより、何を繰り返すかですね。

 

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 あらためて、いろんな話を書いたような気もするし、案外同じようなことをぐるぐる書いている感覚もあります。同じことを2回も3回も書いていたすれば、たぶんそれはおれにとって大切なことなんでしょう。

 

 今回も事前にいくらかストックを作りつつ連載を始めたものの、いつしかストックが尽きてしまう日もあり、なかなか焦りながら毎日更新していたものです。もっとも、不安だったのは連載の中断よりも、Twitter(現:X)が突然サービスを終了することだったわけですが。

 

 とはいえ、この場に文章を載せてTwitterに載せるという環境は、自分にとっては大変居心地のいいものでした。好きな文章をせっせと載せるけれども、そんなに誰かに見られるわけではない。けれど、まったく見られていないわけではない。それならば、思う存分に自分の好きな表現を組み入れて、時には他の場所では披露できないような考えも盛り込んで、誰かに受けることよりとにかく自分で納得できる文章を書くことに努めました。

 ツイート(現:ポスト)やストーリーズのように浸透することはない文章たちですが、意思をもってこのブログを見に来てくれた方には、おれの言葉がきちんと届いていることを願っています。

 

 ではでは、あらためて今回のエッセイ集はここまでといたします。

 これからも何か企画を打ってみたり、あるいは単発で何か記事を投稿するかもしれません。その際はご笑覧くださいませ。

 

 ここまでお読みいただきありがとうございました。お身体どうぞご自愛くださいませ。