2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

東京

東京の街に出て来ました あい変らずわけの解らない事言ってます 恥ずかしい事ないように見えますか 駅でたまに昔の君が懐かしくなります 東京 / くるり *** 憧れの街、東京 ―そういった視点を、自分は持ったことがない。 神奈川県で生まれ育った自分にと…

関心を持たれる尊さ

何もしていないのに「かわいい」「かっこいい」「おめでとう」「よかったね」、そして「愛してる」と言われることは、私たちからもっとも遠くにある、そして私たちにとってもっとも大切な、はかない夢である― 岸 政彦 / 断片的なものの社会学 *** もうず…

ストラトキャスター

初めて出会ったストラトキャスター使いの名手は、ギターフリークス・ドラムマニアシリーズで曲を制作していた泉陸奥彦さんだった。 ゲームの特性上、音楽にもエレキギターがふんだんに使われ、スタッフにも個性的なギタリストが揃っていた。その中で泉さんの…

好きを仕事にする

バンドで一山当てるために全力で活動するのと、趣味としてのバンドを一生続けることを天秤にかけて、自分は迷わず後者を選んだ。もっとも、前者を選ぶツテがあったかは怪しいのだけど、どうみても成功するバンドに身を置く機会があったとしても、やっぱり後…

寂しさを知ってから

寂しさを知らなかった頃、おれは無敵だった。 子どもの頃、あんまり友達とわいわい遊ぶ性質ではなくて、週末の予定がまったく無くても平気だった。子ども部屋でひとり用のゲームに夢中になって、父親の本棚に並ぶ本を端から端まで読む。そこに寂しさはなくて…

湘南新宿ライン

誰かのソングライン 胸をしめつける 逢いたい 真夏のシンフォニー すべて君の胸に 捧げたい 湘南新宿ライン 闇を切り裂いて 走れよ 湘南新宿ライン 闇を切り裂いて 七尾旅人 / スロウ・スロウ・トレイン *** 何年も前、少しのあいだだけ付き合った人がい…

午前2時の谷間みたいな場所

夜歩く君と 工場の脇の道を 闇を照らすものがまるでなくて 海の底にいるみたいだった 君の目だけ銀色で その銀色が言う もしも私が死んで 幽霊になったら もうこんな夜の闇は 怖くないのかしら? 夜歩く / 筋肉少女帯 *** 泥のような眠りから目が覚める。…

クズに生きる自由

「望まれる子供のすがた」 ・元気よく外で遊ぶ ・人の喜ぶことを進んでする ・家族、友達、先生を大切にする *** 小学生の頃、教室にこんな感じの標語が掲げられていた。 細かい文言は覚えていないので適当に考えたのだけど、いかにも教科書に載せられる…

見よう見まね

何か新しいことを始めようとするときは、出来るだけいいお手本と出会うことから取り組めるといい。そんなことを知ったのは、もうオトナになってからだった。 自分なりの価値判断はひとまず脇に置いて、目指すべきお手本をひたすらコピーする。マニュアルがあ…

チェスターコート

冬が苦手な自分にとって、数少ない楽しみはチェスターコートを着れることだ。 チェスターコートは布地が多い。両肩に生地の重みを感じると、なんだか寒さ以外のあらゆることからも守られている気がある。電車のシートに座るときは、コートにくるまれているよ…

友達・恋人・パートナー

「結局、わたしの旦那はいい彼氏だったけど、いい夫にはなれなかったんだよね」 ―ずっと前、どこかの飲み会にて。 *** 友達として出会って、やがて恋人になって、ゆくゆくは人生のパートナーになる。そんな流れが決して当たり前でないことに気づいたのは…

村上春樹

かれについて話すのは、少し気が重い。 *** 村上春樹の本をはじめて読んだときのことは、もうすっかり忘れてしまった。高校生の頃に出会ったバンド友達の前略プロ・フィールかなにかに、「好きな本:村上春樹の羊をめぐる冒険」と書いてあった記憶がある…

たけのこ

社会人3年目の頃、一緒に仕事をしていた先輩が異動することになった。 後に来たのは、年齢的にも採用年でも先輩にあたる方。自分とも顔見知りくらいの間柄だった。 一緒に仕事を始めると、先輩は自分に対してとても期待してくれていたらしく、最初のうちは仕…

しまなみ海道

人の数だけ 私のしまなみがある…か。 鎌谷悠希 / しまなみ誰そ彼 3巻12話 *** 好きなロケーションは数あれど、真夏のしまなみ海道を超える場所はちょっと思いつかない。 愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ、全長約70kmの道路群。しまなみ海道というのはコ…

君の秘密になりたい

誰かが鳴らすピアノが 黄金色した校舎に響いて 宇宙になぜか僕らふたりだけのような そんな気がした PK shampoo / 「君の秘密になりたい」 *** これを読んでいるあなたには、誰か特別な人がいるのかな。 その人とは、どんなことを共有しているんだろう。 …

ドキドキを終えて

誰かを一度好きになってしまうと、いつかこの人とは会えなくなると悟っていた頃があった。 恋愛には終わりがつきもので、終わりは別れと表現される。愛の告白を受け入れられなかったとき、恋愛感情がなくなったとき、誰かは誰かを振るわけで、その先に未来は…

学部

大学受験を控えていた頃、自分は社会学部を志望していた。 社会学という学問をよく知っていたわけではないけど、関心のあるテーマに基づいて、街を訪ねたり、人へ話を聴くといったフィールドワークをするというイメージがあった。中高生の頃はジャンルを問わ…

合わせわざ

バンド活動をしていても、いつでも最初から好きな曲を演奏できるわけではない。 メンバーが作るオリジナルの楽曲でも、何かしらの成り行きで組んだコピーバンドにしても、演奏する曲が固まった瞬間は、「…ん?」という反応に留まることも多い。「演奏できる…

ひたち海浜公園

初めてひたち海浜公園を訪れたのは、2014年のROCK IN JAPAN FES.だった。 翼のゲートを抜け、いきなり眼前に現れたLAKE STAGEを見たときの感動を、今でも覚えている。雑誌やネットで何回も見かけたステージにたくさんのお客さんが入っていて、サウンドチェッ…

cali≠gari

吹き荒ぶ風よ どこか見知らぬ場所まで 連れて行ってくれ闇の傍らへ cali≠gari / 落花枝に帰らず破鏡再び照らさず (詞・曲:石井秀仁) *** 一番好きなミュージシャンは誰かと聞かれたら、いつもcali≠gariと答えている。 自分が考える好きなミュージシャ…

傾聴

学生の頃、自分の話で人を笑わせることばかりを考えていた。 隙があれば冗談を飛ばして、何かおもしろいと思ったことがあれば、すぐさま周りの人に早口でまくし立てていた。今思えば、全然空気が読めていなかったことや、下品な笑いの取り方をしていたことも…

無難を振り切るとき

人と違う生き方は、それなりにしんどいぞ。 何が起きても、誰のせいにもできないからね。 「耳をすませば」 雫の父のセリフより *** 学生の頃、恋愛相談はいの一番に盛り上がる話題だった。 「好きな子が出来たんだけどさ」 「誕生日は何をあげようかな」…

朝型

休みの日でも、だいたい朝の8時には目が覚めている。 目が覚めているといっても、布団に入ってスマホを相手にしていることもあるけど、あくせくと洗濯機を回したり、手をかけて朝食を作ったり、ぞうきんを絞ってホコリが気になるところをひたすら拭いたり、…

「ご迷惑をおかけします」

「ご迷惑をおかけします」 「お手数をおかけしました」 「申し訳ありませんでした」 これらのフレーズは、いま一緒に仕事をしている同僚さんの口ぐせだ。 1時間に1回はどれかしらのフレーズを耳にするし、会話の最後に3つを連続で口にして締めることもある。…

鉄道ジャーナル

小学生の頃、父親の本棚には鉄道雑誌が並んでいた。 当時はさまざまな雑誌が刊行されていて、とくに「鉄道ファン」「鉄道ダイヤ情報」「鉄道ジャーナル」の3誌が父のお気に入りだった。 「鉄道ファン」は、当時も今も定番の雑誌で、写真を多く取り入れなが…

らしさ

何をやっても自分になる。 そんな認識に帯びるのは諦念だろうか。 それとも、希望だろうか。 *** おととしの春、おれは今使っているデジタルカメラを手に入れた。 画質はとてもきれいで、ピントを合わせて背景をぼかすとか、シャッター速度を落としてわず…

大きな川

渡良瀬橋で見る夕日を あなたはとても好きだったわ きれいなとこで育ったね ここに住みたいと言った 森高千里 / 「渡良瀬橋」 *** 大きな川が流れる街に、ぼんやりとした憧れを持っている。 街の中心地のほど近くに広い土手があって、自転車やジョギング…

タメの効いたドラム

indigo la Endの佐藤栄太郎さん、椎名林檎や星野源に参加している河村カースケさん、聖飢魔Ⅱのライデン湯澤殿下、ZAZEN BOYSの柔道二段・松下敦さん…、自分が憧れるドラマーを思い浮かべると、だいたいこのあたりの面々がパッと思い浮かぶ。 いま挙げたドラ…

イルミネーション

母はガーデニングが好きだった。 実家の通りに面したところには、いつも色とりどりの草花が飾られていて、父も休みの日には、ふたりでさまざまな園芸仕事に精を出していた。 自分が小学生の頃、自宅の庭にイルミネーションで飾り付けをするのが、テレビとか…

渋谷・新宿・池袋

学生の頃、東急東横線が毎日の通学ルートだった。当時はまだ副都心線との直通運転が始まっていなくて、各駅停車はもちろん、急行も特急も全部渋谷止まり。それが、大学の卒業式だかの次の日、副都心線と線路がつながって、渋谷の先にある街へも行けるように…