朝型
休みの日でも、だいたい朝の8時には目が覚めている。
目が覚めているといっても、布団に入ってスマホを相手にしていることもあるけど、あくせくと洗濯機を回したり、手をかけて朝食を作ったり、ぞうきんを絞ってホコリが気になるところをひたすら拭いたり、溜めこんだ家事をこなすことが多い。
きんと空気が冷え込む冬の日は、澄んだ空気を思い切り吸いたくてジョギングに出かける。穏やかな日差しのもとで軽く汗をかけるのは気分がいい。コタツの誘惑を振り切れた達成感も相まったりもしてね。
そんなふうに、朝から何か物事をこなして、日がのぼりきった頃に若干の眠気を覚える感覚が好きだ。
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思考がよく働くのを感じるのも、だいたいは午前中だ。先に書いたようなことをしながら、頭のなかではいろんなことが思いつく。最近触れたコンテンツの感想や、人と話したことや自分の考えの振り返り、次にやってみたい物事のアイディアなんかが、次から次へと思い浮かぶ。思わず、手を止めてメモをとることも多い。
こういった時に思いつく中身は、新しい何かというよりは、過去に通り過ぎた思考を深掘りする性質のものが多い。「あの本に書いてあったあの記述は、こう解釈できるのでは」「あの時話してたことは、こういう意味だったかもしれない」「こないだ思いついたあのことは、こんな段取りをすれば進められそうだ」…こういった思考は、頭が一番回っているタイミングにしか出来ないものだ。
普段は、そういった頭が回る午前中のひとときを仕事に捧げているので、自分自身のために頭脳を使えることが本当にうれしい。半休だって午前中に取りたいくらいだ(残業したくないからだいたい午後に取るけどさ)。もし、思考の働くピークが夜に多い傾向の人がいたら、自分にとってはとても羨ましいことだ。
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ときどき、誰かと一緒に朝を迎えるときも、だいたい自分が一番に目を覚ましている。
そんなときは、静かに読書をしたり、ゲームをしたり、こそこそと朝食の支度をして、気が向いたらまた布団に戻る。旅行先で、朝風呂や散歩をひとりで楽しんだことも、幾度となくある。
一緒にいたいけど、ひとりになりたい。
ずっと一緒に居ると息が詰まってしまうけど、その人の存在は感じていたい。どんなに仲がいい人でも、自分はそんな風に感じる瞬間がある。仲良しが立てる安らかな寝息のことを意識しつつ、自分の時間を過ごせていると、朝につよいのも悪くないなと思う。