2020-01-01から1年間の記事一覧

僕がまだ人だった頃

人という字は支え合って人と書くという。 いつか、人と支え合うことをやめてしまったら、おれは、人ならざるものになるんだろうか? *** ずっと前、好きな人と一緒に映画を観に行ったときに、感想が言えなかったことがあった。 別に相手に合わせて観に行…

憧れに咲く花のようで

「うちの猫がね、かわいいのよ。もうずっと一緒に居たいくらい。」 ―いいな~。よくひとり暮らしでお迎えしたね。 「前に付き合ってた人が飼いたがってね。けど、別れた時に置いてかれちゃった。」 ―えっ、ひどい。 「恋人とも猫とも別れたくなかったからさ…

トーチカ

真夜中の海ほたるパーキングエリアへ、何度か行ったことがある。 重油のように真っ黒な水面のはるか先に、東京の街並みの光が煌々と浮かんでいる。 そんな景色を、客船を模したデッキから眺めていると、なんだか穏やかな気分になれた。 視界に広がる光が灯る…

裸の王様

最近、フェイスケアにハマっている。 新型コロナの流行り出しで、今よりも外出がはばかられていた頃、ちょくちょくチェックしていたYouTuberがスキンケア用品の紹介をしていて、それからいろんなものを試すようになった。 泡が濃密すぎて洗顔中に窒息しそう…

スタンドバイミー

音楽、その音楽 俺を開いてHi-Fi、あのHi-Fi 今を照らして 「変わらぬ日常」なんてどこにも無いよ俺の音楽、俺の音楽 今を照らすぞ 音楽 / FoZZtone *** つくづく、音楽とはいい付き合い方が出来てるなっておもう。 おれが自発的に音楽に触れるようになっ…

憧れを愛に変えた時

憧れを愛に変えた時 何かが破れて壊れた胸をえぐる 赤いランプが…でも誰が悪い訳でなく ただ臆病だっただけと言い聞かせて あたし強く涙を拭いた 赤いランプ / aiko *** これを読んでくれているあなたは、今までどんな風に人をすきになったんだろう? い…

ビバあいづ

ついこのあいだ、福島県は会津磐梯山へ登山に行ってきた。 夏の盛りでとても暑い日だった。登り始めから汗をいっぱいかいて、最後まで体力が持つか不安な場面もあった。ひとりだったしね。けどまあ一応無事に登頂して、今はこうしてコメダ珈琲でキーボードを…

再開発・暗渠

「物化とは、ひとつの同じものになってしまうことではありません。区別はある。別々の存在として区別されながら、それでも、他者の楽しみに没入することなのです。」 デッドライン / 千葉雅也 著 *** 寝起きの顔を、人に見られたことがあまりないんすよね…

パラダイムシフト

おれは今、むかし見た夢の中を生きている。 ずっと前、自分はきっと若くして死んじゃうんだろうなって思ってた。何もかもに絶望して。 当時はブラック企業なんて言葉が出始めた頃で、社会で働くことが到底自分に出来ると思えなかったのだ。そうでなくても、…

farewell to our memories

18歳になった冬の終わりのこと。 おれはいくつかの大学を受験して、ちょうど真ん中くらいに志望していた大学に合格した。 世間的にはそこまで知られてないけど、地元での評判はそこそこで、誰に言っても良くも悪くも言われないようなところ。正直なところ、…

楽しかったよ、ごきげんよう

そろそろ引っ越しをしたいなあ、なんて思っている。 流行り病のせいで外に出なくなって、はじめのうちは改めて自分の部屋がすきになっていた。ちょこちょこと片づけをして、4年くらい替えてなかったポスターを新調して、久々に六角香も毎日焚いている。最近…

きっと覚えてるのはおれだけ

言葉はいつでも僕を苦しめてばかり だけど救ってくれるのもいつも言葉だったよ 誰かに笑われたって構わないのさ 君としゃべれた事実が僕にはついてるから はじめて君としゃべった / ガガガSP *** 「京都に行きたいな」 ―ふーん、どっか行きたいお寺でもあ…

ただの日記

朝、6時50分のアラームで目が覚めたものの、少し布団の中でうずうずしてみる。 月曜は調子がよかったんだけど、昨日の火曜日はなんだかすごく不調だった。やたらと眠かったし余計な考え事ばかり。じゃあ帰ってからゆっくりすればいいんだけど、日が暮れてか…

風が吹いた春が

新型コロナが流行り出してからというもの、テレビやツイッターをあまり開かないようにしている。 ちょっと前から、なにをするでもなく漫然と過ごす時間がもったいないなって思いはあったんだけど、最近は目に入る情報がどれもしんどいものばかりで、改めて距…

三万円

「いま、三万円あったら何に使うか」という問いに、いつでもスパッと答えられるといいらしい。 日々の暮らしのなかで、「こういうことをしたいな」というアンテナを張っていないと、ふとした時に有用なお金の使い道がわからなくなってしまうことがある。もっ…

あい変わらず季節に敏感でいたい

流れ行く四季の空。咲き乱れるは夢の花。僕が意るあの場所は、夜明けが近い荒野の果てに。 青春狂騒曲 ~青雲立志編~ / cali≠gari *** 先週くらいから、外に出ると目が少しイガイガして、鼻がムズムズして、ノドの奥がヒリヒリする。もうスギスギ花粉の…

シュミのハバ

私が見てきたすべてのことむだじゃないよって君に言ってほしい ハローグッバイ / YUKI *** 去年の夏の暮れ、Suchmosを見に行った時の話。 ―横浜駅から根岸線に乗りこんだ。根岸線と言っても、正体は京浜東北線。大宮~大船までがひとつの路線として運用さ…

個性派俳優

自分を守る殻が重たすぎてすぐ疲れるんだろ? そんなもんあったってなくたって別に死にはしないぜブラザー はちみつたっぷり入れた紅茶でも飲んで落ち着けよ 何がどうややこしくなったって君の代わりなんていないんだ 忘却のすゝめ / Brian the Sun *** …

人の間が人間で

愛を貰ったり 愛をあげたりを繰り返していつ頃僕らは大人になるのかなぁ愛を貰ったり 愛をあげたりがすべてなんだと気付く頃にもう誰もこの世にいない 一人ぼっちの世界 / メガマサヒデ *** 友達とは、恋人とは、という問いを、人々は一体何回やってきた…