色即是空
夏が過ぎてしまった。
自分のことに即して言い換えれば、何も考えずに過ごせる季節が終わってしまった。
暑い時期はどこに居ても何をしてても、暑い事だけを考えていればいいような気がするんですよね。はたまた、単に休みが多くて楽しいことばかり考えていたせいか。とにかくも、雲に覆われ、雨が降りしきり、またつまらない考え事に逡巡する季節がきてしまったわけだ。
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Summer time is gone I miss it so much
My board lies in my garage
Waiting for the snowy season
And again I would slide
Friends are alright
There's nothing so sad
And the foods are good today
It looks like things are going right
But I feel I'm all alone
The Autumn Song / ELLEGARDEN
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エルレガーデンが復活してから1年くらいが経ったらしい。グッズを持った人から猛暑の中で並んだ思い出話を聞いて、あれこの話の猛暑って前の夏の事かってことに驚いてしまった。
でもそうだもんな。相変わらずエルレガーデンは見れてないけど、あの頃エルレガーデン復活を喜んだ友達の顔やらアカウント名やら(現代っぽい)を思い出すと、どの人も距離感がまあまあ変化してるわけで、そんなところで時間の経過を感じてしまうわけです。
あなたがエルレガーデン復活の話を一緒にした人、今も近くに居ますか?
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しかしまあ、去年の今頃と比べて距離が遠くなってしまった人なんぞはもうすっかり美化されてしまって、「あの人は存外いい人だったのかも」なんて思ったりしてしまいますね。
あまり人を悪く思わない方と思いつつ、「あの人はいい人。だけども…」みたいなオマケがついてしまう陰湿な人間なので、少し遠くに行ってくれないとオマケが取れてくれないことがあるのですね。
「遠くから見れば、だいたいのものは綺麗に見える」なんて言葉がありまして。わけあってイヤな印象が出来てしまった人を良く思うためには、遠くから眺めるしかないんですしょうかね。なんか形而上的にはその人を檻に閉じ込めて安全なところから見てるみたいだな。でも関わったら綺麗じゃないところも見えるわけだかんな。誰とでも清濁併せ呑むなんて器用じゃないもの。もっと器用なら関心すら捨てられるのにな。
ここのところ、今までに好きになった人のことを「ま、いい人だったうんうん」なんて考えてるのも、それだけ遠くに行けたからなのかな。細かい事を忘れられたのを喜ぶべきか、なんか未練じみてる感じがして嫌というか。
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最近のちょっとした恐怖のひとつに「なんとなくな人付き合いをしなくなった」ということがあるのですよ。
子どもの頃からぼっち耐性があったはずが、なんとなく居心地がいい集団に属していれば、それを維持するために煮え湯を飲んだり冷や水を浴びるくらいは我慢する若者になってしまって、でもまあやってらんないなと上手くコントロールが出来る大人になり、、そうするとなんとなく人と一緒に居るというのが減りました。
別にいい事じゃないか、って思えればいいんだけど、なんとなくから生まれた尊いお付き合いみたいなものをフイにしてるんじゃないかって思うことがあるのです。
なにか大切なものが欲しいなって思う時、極論その辺の石ころでも四六時中一緒に居れば大きな存在になるんじゃないかって思うんですよ。一緒に居たい!って気持ちより、なぜか一緒に居れるってくらいの気持ちの強度でもとりあえずはいいのかなって。もっとも、なぜか一緒に…だと弱いから、だんだんと気持ちに肉付け出来ればね。なんか、誰かとなんとなく会うのを重ねるのも大事にしなきゃな。
だいたい初対面の人と会ってちょこちょこお話すると、自分がどれくらい相手に興味を持ててるか、あるいは持たれてるかってイメージがついてしまって、示し合わせた通りにその通りに行くのがおっかないじゃないですか。だって自分がなんか好きだなあって思えても、相手は興味なさそうだなってのもすぐわかるし、負け戦を予期しつつもラインを送って案の定既読すらつかない。地獄か?
とはいえ、そんな時に救ってくれるのはやっぱりなんとなく縁がある友達ですね。いつも突然「彼氏ほぢい~~~」なんてライン送ってごめんなさい。これは既読つけなくていいやつです。つくまで送るけど。
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最近の蚊は静かだなんて言ってたら、ただの加齢で蚊の音が聞こえなくなってるだけ…なんて小咄があるように、世の中の思想も進歩しているというより、ただただ僕らがいろんなことに気づき始めているだけなんじゃないか。
自分が老人になったら、若者が話すぶっ飛んだウィットが悲しく聞こえてしまいそうだ。誰もがみんな狂ったふりをしているし、どうして僕らは見てもない夢を語るのか。
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夢や希望の歌は聞こえているか
みんなが歌うその歌が君をぬらした涙のもとだとするならば
僕はまだ腑に落ちないんだよ
涙の成分について / セツナブルースター