アマチュアバンドとホモの恋愛は似てるなあ

まあタイトルのようなことをよく考えるんですよ。

ただまあ、今の今までどこかにもやっとするところがあったんだけど、なんかそれがうまく氷解したポイントもあったから覚え書きをしておこうと思います。

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どう書き出そうかも迷ってしまうんだけど、とりあえずバンドとは3、4、5人くらいの楽器が出来る人が自由意思で集まって演奏する集団としておきます。スポーツとかそういうのと大きく違うのは、少ない構成員でだいたいのことが完結することかなと。

野球とかサッカーと違って1チームで多くても5人くらいだし、同じくらいの人数のスポーツを探してもチーム替えとか割とするイメージ。登山とかはいつも同じ人で出かけたりしてるのかな?でもバンドは割と一蓮托生。とりあえずこのバンド!ってなったら、練習も本番もその何人かでこなさなきゃいけない。

んで、そうたくさん人が居ないと、やっぱり人間性がすごい気になってしまう。

噛み合えばすごーく楽しくて心地いいし、多少めんどうくさい事を言われてもなんとかなっちゃう。逆にひとりでも違和感がある人がいると速攻辞めたくなる。9人とか11人でやれたら、多少???な人が居ても、まあ多少なら他の好きな仲間に目が行くから紛れると思うんですよ。多少の違和感で済まなかったらそれ相当ヤバい人だし…。

まずここでアッと思うんです。恋愛にしても、だいたいのことはふたりでこなすわけだし、相手に違和感を覚えたら、ちょっと終わりが見えてくる。見えるだけでそこに直結するかは別として。

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そもそも、恋愛を始める時ってどんな要素があったかなぁと思い返してみます。そもそも見た目が好き、一緒に居て気がラク、共通の趣味がある、人に引き合わされる、好きかどうかは別として金持ち(これ恋愛なのか?)、そしてセックスしたい。

他にもまだあるとして、とりあえずこの辺までならバンドも一緒なんですよ。演奏してる見た目とか雰囲気がカッコいい、一緒に居て気がラク、共通の(音楽の)趣味がある、人に引き合わされる、好きかどうかは別として金持ち(バンドやる時お金あると楽なんすよ)、そして一緒にセッ…演奏したい。

んで、その辺の利害が一致したらお近づきになる。本人が意識してるかどうかは別として。

そして、おっ始めてからのセオリーも大体定番が決まってて、恋愛ならとりあえずお互いを探る、うまく行けばめっちゃ気が合うやん!すき!ってなる、しばらくして嫌なとこが見えてきてちょっと考える、うまく乗り越えたら安定してくる、、みたいな。バンドも同じような感じです。いつも。

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ところが、ここから話はちょっと暗くなる。

ついさっきまでは、「バンドと恋愛は似てるなあ」って考えることが多かったんだけど、「よく考えたら"アマチュア"バンドと"ホモ"の恋愛は似てるなあ」に変わってきたんです。

そのわけは、両方とも着地点が特に決まってないこと。

バンドについてまだ夢も希望もあったもうちょっと若かった頃だと、バンドを組む先にはプロになるだとかCDをばっかんばっかん売るだとか有名なバンドと対バンするとか、なんか目標があったんですよ。これが多分いわゆる普通のバンド。

一旦ホモの世界に行くと、我々同棲結婚出産育児…というのが無くてふわふわしちゃうことにもどかしさを感じる人続出で、ただなんとなく好きな人とお近づきになっても、ちょっと楽しいんでハイさようなら路線の人、一生ぼちぼち一緒に居られればいい派の人、とりあえず一緒に住んであわよくば一生そのままがいい人、同性婚からの里親コースで家庭を築きたい人、いろいろじゃないですか。

マチュアのバンドの世界もちょっとシンパシーを感じるところがあって、好きな人と好きな音を出せてればオッケーな人、一応曲を作ってある程度ファンがつけばいいかなあな人、いいから練習とかライブの後に酒飲みたいって人、いろいろなんですよ。

でまあ、行き先が共有出来なくて、だんだん一緒に居る気分じゃなくなっちゃうことが、どっちの世界もしょっちゅうある。

そして行き先が一緒でも、アマチュアバンドもホモカップルも気を付けないとすぐに宙ぶらりんになってしまう。好きな人or演奏者と、ただ一緒にやってければいいや…って割と難しい。簡単に行き詰ってしまうと思うのですよ。

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だからと言って、俺はそんなに絶望はしてないんですよ。

いま3つほどアマチュアバンドをやってまして、まずひとつはもう3年目になるコピーバンド。ひとつのバンドの曲を4人でひたすらやってるんだけど、なかなかもう終わりにしようかなって感じがない。曲を作ってみたり、ライブを増やしてみたり、だらだらと飲みまくってみたり、どう4人で付き合っていくか試したけど、結局いい演奏をして、ライブは4人のタイミング合う時にして、誰かが忙しかったら活動ペースを落として銘々好きなことをして、けどまあ、4人で演奏すると楽しいし、なにより手前味噌ながらなかなか凄みのある音になるから辞めないで、細く長くやっていきましょうや、というのを共有出来てるんです。

もうひとつは、これまた2年目になるコピーバンド。こっちは3人だけど、練習後は毎回飲みに出で、仲はいいけど予定が合いづらいからペースはゆっくり目。だいたい俺とひとりがよくぶつかるけど、もうひとりがバランスをとってくれる…カップルとは比較しづらいけど、人間同士がうまくバランスを取って一緒に居るということと、別に一緒に居たくなくなったら終わりにしてもいいんだよなあって考えがちな点でやっぱりシンパシー。

あともう1個はオリジナル。ひとりが曲を持ってきて、3人でえっちゃおっちらアレンジしてる。まだ始まったばかりだけど、アレンジしてる時にあまり煮詰らないし、何かあっても「まあちょっと寝かせてみるか」と焦らない3人が集まってて、なんか長くラクにやっていけそうだなーって考えてる。

そんなこんなで、特に目的も打算もなく自由意思で集まった人間同士でも、なんかツボがつかめればそれなりに長い事一緒に居られるんだなあって実感することが出来ているんです。ありがたいことに。だからきっと、恋愛でもこういうことがあればいいし、きっとあるだろうと思えてます。

恋愛にしても、そこに居る人とどうしたら自然にずーっと一緒に居られるかなあってことを考えたいもんですね。もっとも、長いこと一緒に居たなあと思える元彼さんが1人しかいないので、そもそもモテないと始まらないわけだけど…モテない人が恋愛について語るのすごい面白いですよね。

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そういえばホモもバンドも、「とりあえずまずは…」と密室で一緒にコトをすることから始めがちですよね。だってバンドは音を出さないと分からないこと多いし…ホモの世界はちょっとよくわかりませんけど。